【製品解説】EDB CloudNativePG Cluster 1.29.0
エンタープライズのためのK8s用Postgres 〜動的なアクセス制御と進化したバックアップ管理を実現:Oracle互換やTDEを標準装備するK8s用DBオペレーターが進化。新版ではポッドラベルを用いた動的な認証ルール更新に対応し、手動のIP管理を撤廃。バックアップ進捗の可観測性向上や拡張機能カタログの強化を施し、企業データ基盤の自動化を加速します。
1. 概要
EDB CloudNativePG Cluster(cnpg-cluster)は、オープンソースの CloudNativePG™ をベースに EnterpriseDB(EDB)が開発・サポートするKubernetesオペレーターです。ストリーミングレプリケーションによる高可用性Postgresクラスターの全ライフサイクルを宣言的に管理し、Oracle互換機能(EPAS)、透過的データ暗号化(TDE)、OpenShiftやIBMプラットフォーム対応などのエンタープライズ価値を提供します。
2. 主な機能
Kubernetes環境における完全な宣言型管理と高度なデータベース運用機能を提供します。
- 高可用性と自己修復: 同期度に応じた自動フェイルオーバー、レプリカの自動再作成、計画的スイッチオーバーを実行。
- バックアップ&リストア: 継続的バックアップ、PITR、オブジェクトストレージ連携(Barman Cloud)、ボリュームスナップショットに対応。
- 高度なレプリケーション&プール: クロスリージョン分散トポロジ、論理レプリケーション、専用
PoolerCRDによるPgBouncer統合。 - 宣言型拡張機能管理:
ImageCatalogを通じてPostGISやpgvectorなどの拡張機能をOCIコンテナイメージとして動的ロード。 - 可観測性とセキュリティ: 組み込みPrometheusメトリクス、Grafanaダッシュボード、TLS/SSL、PGAuditロギングを標準提供。
3. 主なメリット
- 運用負荷の劇的な軽減: 自動化されたDBAとしてローリングアップグレード、スケーリング、証明書ローテーションを自動処理。
- IaCとGitOpsへの完全適応: 標準YAMLマニフェストでロール、データベース、拡張機能などの全体状態を一括管理。
- エンタープライズの回復力: 同期レプリケーションによるデータ損失ゼロ(RPO=0)と複数データセンター間のDR構成を実現。
- イミュータブル運用とLTS: 不変コンテナによる設定ドリフト防止と、18ヶ月間の長期サポート(LTS)による安定性の維持。
4. バージョン1.29.0 新機能
【主な新機能】
- イメージカタログでの拡張機能サポート:
ImageCatalog内で拡張機能(PostGIS等)のイメージを一元定義・管理可能に。 - 動的なアクセスコントロール(podSelectorRefs): ポッドラベルに基づく動的
pg_hba.conf生成に対応し、IPハードコードを排除。 - 共有 ServiceAccount 対応: AWS IRSA や GCP Workload Identity 等のIAM構成を簡素化する
serviceAccountNameフィールドを追加。
【機能強化およびセキュリティ改善】
- PgBouncerの高度なTLS設定: 暗号スイートやTLSバージョンの細かな設定に対応し、厳格なコンプライアンスを満たす調整が可能。
- メジャーアップグレードと環境拡張:
BackoffLimit=0設定による無駄な再試行防止と、カスタム環境変数(bin_path,env)の設定をサポート。 - バックアップ可観測性の強化:
Pending/Terminal Errorフェーズの追加と実行タイミングフィールドの分離により追跡精度を向上。 - セキュリティと標準対応: SLSA来歴情報とSBOMの添付、デフォルトPostgreSQL 18.3への更新、Barman Cloudインツリー非推奨通知(v1.30削除予定)を反映。